んー。
またクソ鳥どもに追い返されたとかなんとか。
ここで暫く足止め食らいそうでやれやれだぜ。
まぁ、あのクソ臭ぇ腐れ闘技場よりかはまだなんぼかマシだけどよ。

……ネクラ野郎の時と違ってシンプルに力負けしてるってのがなァ
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ロードワークついでにゴミを預かって遠くへ捨てに行ったりしてる。
今日は腐れ闘技場に置いてきた。ゴミ捨て場みてーなトコだし。
まー、ウェイト代わりみてーなもん。足腰鍛えとかねーとな。
あんま重すぎんのは無理だけどよ。

宝掘りな連中が荷物やべぇとかよく愚痴ってんから
まぁ、ちょっとしたサービスだよ、うん。
横流しとか世話んなってんしな。

とか、そんなことしてたらあいつが来た。
この指輪をくれたデコメガネ。
……やっぱ相変わらずな感じ。

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『『“力”が、欲しいか』』

確かに、そう聞こえた。クソ鳥どもと殺りあってる時だ。
そりゃ欲しいぜ、力が無きゃどーしよーも出来ねぇ。
だから答えたさ「とっとと寄越せ!!」ってな。

何かはよくわからねぇ。けど、すげぇ力が一気に流れ込んできた。
あたしと、精霊の力がブーストされて
……ダチョウが、跡形も無くケシズミになってた。

なんだよ、これ……。
やっべぇ、股間から脳髄直撃。大洪水。
すっげぇキモチイイし。こいつぁクセになりそうだぜ……！


カネアケルにその話をしたらすっげ微妙なツラで返された。
なーんか、ここに来てからおかしいんだよな、あいつ。
なんか悪いモンでも食ったか？

『それは……確かに、精霊の力だ。精霊使いの業のひとつだ。
　けれどね、誘惑に負けると溺れるよ。あれらはとても強い。
　“力”に飲まれて帰ってこれなくなる。君が、君ではなくなる。
　“力”を、従えるんだ。君が“力”の奴隷になってはいけない。いいね？』

あったりめぇだっつの。なに言ってんだか。
でもまーなんか珍しく深刻な感じだったんでつい大人しく聞いちまった。
そんなやべぇモンなのかね、アレ？

『その声が聞こえるようになったのは、君が階段を一つ上がったという
　ことなのだから喜ばしいことではあるのだよ。
　けれど……いや、今は止そう。また、後でな。お休み、アンシア。』